2019年7月8日のNHK『あさイチ』で放送された生理の新常識、月経が楽になる方法やピルの正しい使い方についてをご紹介します。教えてくれるのは、ピル利用歴16年の産婦人科医 深沢瞳子先生です。
ピルの新常識
もともとピルは排卵を止めて妊娠を回避する避妊薬として使われていました。
しかし、現在では月経を軽くする薬として低用量ピルを使う女性も増えているそうです。番組の取材では、服用している女性医師も大勢いたそうです。
これまでの低用量ピルは月に1度の軽い出血がありましたが、現在では120日に1回程度、つまり年に3~4回の月経で済むようになり、大幅に生理による体の負担を減らすことができるようなったそうです。(個人差はあります)
副作用は?
でもやっぱり気になるのは副作用ですよね。そこで、深沢瞳子先生が副作用についての疑問を解説してくれました。
Q:飲んだら太る?
A:ピルを飲んだら太る、というのは間違い。そのようなエビデンスは全くありません。
Q:妊娠しにくくなるのでは?
A:問題ありません。ほとんどの女性は飲むのを停止してから早くて1か月、長くて3か月で排卵が戻ります。
Q:血栓症のリスクは?
A:あります。ピルの服用によって血栓症のリスクが上がるのは事実。
ただし、1万人に対して3~9人程度の低い割合で、リスクが高いのは飲み始めてから90日までの間、飲み続けるほどリスクは下がっていくとのことです。
・ふくらはぎの痛み
・息苦しさ
・激しい胸の痛み
・激しい頭痛
何歳から飲んで良い?
月経がはじまって3か月くらいで飲み始めてOK。
ピルを飲むメリット・デメリット
・生理が楽になる
・月経前症候群(PMS)が軽くなる
・にきびや吹き出物ができにくくなる
・お金がかかる
(保険適用1000円~2500円程度)
・飲み始め(最初の3か月くらい)に吐き気や不正出血などのトラブルが起こりうる
・血栓症
(40歳以上・喫煙者・肥満などは注意)
ピル以外の月経対策
IUS(子宮内黄体ホルモン放出システム)
ピルは「卵胞ホルモン」と「黄体ホルモン」の2つのホルモンが含まれていますが、このうち「卵胞ホルモン」が血栓症を引き起こしたり、吐き気の原因になると言われています。
そこで近年は「黄体ホルモン」だけを体に取り入れることが出来る器具「IUS(子宮内黄体ホルモン放出システム)」の装着が保険適用で認められるようになりました。
教えてくれるのは、産婦人科医の宋美玄先生です。
IUSとは、子宮内に装着することで、黄体ホルモンが5年間少しずつ出てくる器具のことです。
一度これを子宮内に入れると黄体ホルモンが少しずつ出て、子宮内膜が薄くなり、生理の時の出血が減ったり、頻度がまばらになり、1年ほど経つとほとんどの人が出血がなくなります。
産婦人科医いわく、女性の子宮から出血することで健康上には意味がなく、血が出なくなることで楽になるというメリットのみが残ります。
費用は1万円、5年間はそのままでOK(年1回は定期健診が必要)
長期的に見ればピルよりも安く、飲み忘れの心配もありません。
ただしデメリットもあり、月経前症候群(PMS)のイライラなどには効きにくいのだそう。
なお装着することによる違和感はなく、性交にも全く問題はないそうです。
自らも使っているという宋先生は、「生理に振り回されるのではなく、こちらからコントロールするもの」ということを若い人に伝えて行きたいとおっしゃっていました。
IUSをもっと詳しく知りたい方は、コチラのサイトがおススメです。
大注目!第3の生理用品
医療用のシリコンで作られた第三の生理用品と言われる「月経カップ」。
感染に強く、経血がにおわないという特徴を持ち、大注目されています。また購入は通販サイトでも取り扱っているので、気軽にできます。
ナプキンのように蒸れたりかぶれたりすることがなく、また繊維で作られたタンポンと違い雑菌も繁殖しにくいというメリットもあります。
助産師のシオリーヌさんが月経カップの魅力を紹介した動画もありますので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ&感想
最後まで読んでいただきありがとうございます。今回はあさイチで紹介された「生理の新常識」についてまとめました。ぜひ参考にしてみてくださいね。